写真●シスコの平井康文副社長
写真●シスコの平井康文副社長
[画像のクリックで拡大表示]

 米シスコは2008年9月25日,ユニファイド・コミュニケーション(UC)の範囲を広げて,企業内あるいは企業間での “コラボレーション”を支援するコミュニケーション製品群を発表した。通信手段やコミュニケーション手段だけでなく,業務に関連する部分まで含めた統合を支援する。シスコの平井康文副社長(写真)はコラボレーションの市場を「世界で340億米ドルの規模で,そのうち日本は5~10%」と予測。今回の新製品投入によって,コラボレーション市場を開拓する考えだ。

 新たに発売するコミュニケーション・ツールは,UCの新製品「シスコ ユニファイド コミュニケーション システム リリース 7.0」,テレプレゼンス用アプリケーション「Cisco TelePresence Expert on Demand」,インスタント・メッセージング(IM)やWeb会議などのアプリケーションやプラットフォームをSaaS(software as a service)形式で提供する「Cisco WebEx Connect」──の3種類である。

 シスコ ユニファイド コミュニケーション システム リリース 7.0は,「Cisco Unified Application Environment」や「Cisco Unified Mobility」などで構成。IP電話やプレゼンス管理,Web会議などシスコのさまざまなコミュニケーション・ツールを,ユーザーの業務アプリケーションや市販の携帯端末と連携可能にするための開発環境を提供する。具体例として,iPhoneに搭載したVPNクライアントからWeb電話帳やクリック・ツー・コールなどのWebアプリケーションを利用するデモやサイボウズ製のグループウエア「サイボウズ ガルーン」とIP電話との連携システムを紹介した。

 シスコ ユニファイド コミュニケーション システム リリース 7.0は,10月1日から発売。Cisco TelePresence Expert on Demandは,9月25日から販売を開始した。WebEx Connectは,英語版のデスクトップ用クライアント版を販売中。モバイル用クライアント版と日本語版は,来年に販売する予定である。