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 経済産業省の商務情報政策局は2008年9月24日、“高度IT人材”の育成に取り組んでいる一般企業の担当者を表彰した(写真)。「ITSS(ITスキル標準)」や「UISS(情報システムユーザースキル標準)」など、経産省が進めてきた“高度IT人材”育成のための各種取り組みに対し、改訂作業や普及活動といった顕著な働きが認められた社員を対象にしたものだ。

 選定基準は「2008年9月時点で50歳以下」「過去に経済産業省/同省局長による表彰の対象になっていない」「ITSSやUISSなどのほか、セキュリティのコミュニティ/委員会で顕著な働きが認められた」など。今回、初めて実施しており、「来年以降も実施し、若い人材育成のためのきっかけになればと考えている」と近藤賢二局長は話す。

 表彰されたのは日本IBMの赤石雅典氏、日立製作所の鈴木友峰氏、NTTデータの杉山志保氏など、ユーザー企業やベンダー企業の15人である。授与式後、受賞者と近藤局長との歓談があり、さまざまな意見が飛び交った。

 例えば「政府が指導してOSS(オープンソース・ソフトウエア)をもっと多くの人に使ってもらいたい」という意見があり、近藤局長は、「今、IT業界ではOSSが主流であるが、内容がいまいち分かりにくい。まず、日本語でもっと分かりやすくするべきである」と話した。

 このほか、「学生の間でIT業界は人気がないようである。IT業界を盛り上げていくためにはどうすれば良いか」という話題も出て、「キムタク主演のドラマを作り、子供たちのあこがれとなるようなものにしたらどうか」「プログラミングのコンテストをネット上で開催するのはどうか」など、ユニークな意見が出た。10月にはIT業界を盛り上げるためのイベントが予定されており、「映像甲子園」という企画もあるという。

 「これからは、社会の共通基盤を支えているIT人材を土台として、ITに限らず、中小企業をも支援する社会を構築していきたい」と近藤局長は語った。