NHKは2008年9月25日,放送番組の編集作業の際に映像データと音声データをファイルベースで効率的にやり取りできるDAW(Digital Audio Workstation)向けソフトウエアを,フェアライトジャパンと共同で開発したと発表した(発表資料)。現在の音声編集では,HDTV(ハイビジョン)ノンリニア編集機による映像編集の終了後,VTRテープの映像と音声をDAW(Digital Audio Workstation)に移すため,時間をかけて音声をコピーする必要があった。また映像編集の際にカットした部分の音声を使用したい場合には,編集後のVTRテープにその音声が残っていないため,編集前のVTRテープを使用しなければならなかった。

 今回開発したDAW向けソフトを導入することで,HDTVノンリニア編集機で編集した映像ファイルや「のりしろ付き音声ファイル」(本編の前後にのりしろとしての音声を含むファイル),音声編集データなどをリムーバブル記録メディアやネットワークを経由して,短時間でDAWにコピーすることができる。のりしろ部分の音声なども活用することで,きめ細かな音声編集が可能になるという。