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 電子メールアプライアンスなどセキュリティソリューションを手掛ける英クリアスウィフトのマーケティング担当バイスプレジデント スティーブン・ミラード氏(写真)が来日。今後の製品・販売戦略について聞いた。クリアスウィフトは8月、情報漏洩防止の機能を強化した「MIMEsweeper」の新製品を国内で発売。9月には日立ソフトウェアエンジニアリングとの提携を強め、日立製サーバー「HA8000」上で「MIMEsweeper」が動くようにするなど、次々と施策を打ち出している。既に日立ソフトの暗号化製品「秘文AE MailGuard」と連携するソリューションも提供中だ。そして11月には、情報漏洩防止の新製品「CONTENTsafe」を出荷する計画。まず英語版で販売し、日本語版も展開していく。主な内容は次の通り。

■CONTENTsafeは、DLP(Data Loss Prevention)対策のためのアプライアンス製品である。セキュリティ分野では、スパムやウイルスなど電子メールやWebを経由した外部からの攻撃を防ぐソリューションが中心だったが、今後は社内からの情報漏洩、情報流出をいかに防止するかに注目が集まっている。誰かが悪意を持って盗むというより、パソコン操作を間違えることで社内の重要なドキュメントやデータが社外に出てしまう場合があるからだ。CONTENTsafeは、電子メールや添付ファイルをすべてチェックし、最悪の状況になるのを防ぐ。欧米の大手企業も、こうしたソリューションの導入に力を入れるようになってきた。

■今までも同様な機能を備えるソリューションを製品化してきたが、より強化したのがCONTENTsafeだ。重要なドキュメントのわずかな文章でもチェックに引っかかれば、流出しないようにする。通常はキーワードなどを指定してチェックするが、CONTENTsafeはドキュメントの内容をすべてを指紋のように登録している。約50万ドキュメントをチェックできるし、ドキュメントの一部をコピーアンドペーストしても分かる。処理スピードも問題ない。

■CONTENTsafeを導入するときは最初にドキュメントを登録するが、大容量のストレージは不要で、アプライアンスとしてのCONTENTsafeだけあればいい。ファイル形式はワードやPDFでも構わない。秘匿の重要度や守るべき期間など、システム管理者が自分で設定、登録できる。11月に発売する英語版の価格は1万ポンドを予定している。その後、半年以内に日本でも販売する。Linux版を発売するほか、VMware対応なども検討している。

■まずは既存ユーザーに売り込み、新規ユーザーも開拓していきたい。このためには、パートナー企業との協力が欠かせない。ソフトだけをサーバーベンダーに提供するといった販売スタイルも増えており、パートナーシップがますます重要になっている。CONTENTsafeの発売を機に、新たなパートナープログラムを策定していく方針だ。MIMEsweeperとCONTENTsafeを組み合わせれば、より強力なセキュリティになるはず。別々の製品として提案せず、一体化したソリューションとしてユーザー企業に訴求するやり方も有効だろう。