NTTドコモとモルフォ(本社:東京都文京区,社長:平賀督基氏)は2008年9月24日,携帯電話機で映像コンテンツを全画面表示する際のノイズやちらつきを軽減しながら拡大する技術を共同開発したと発表した(発表資料)。

 携帯電話機で利用できる現行の映像サービスは,ワンセグ(携帯端末向け地上デジタル放送)やiモーションなどQVGA(320×240画素)にとどまっている。一方でディスプレイの高解像度化が進んでおり,例えばNTTドコモは905iシリーズからワイドVGA液晶を標準搭載した携帯電話端末を発売している。両社が開発した技術を活用すれば,例えばQVGAの映像を,VGA(640×480画素)に拡大しても,より高画質な映像として楽しむことができるようになるとしている。

 一般に映像信号には映像データの圧縮伸張の過程で,ブロックノイズや輪郭付近の映像のちらつき(モスキートノイズ)などの歪みが含まれるため,従来の携帯電話の映像拡大技術ではノイズも含めて映像の歪みを拡大していたという。また映像の輪郭がぼやけて表示されることもあったとしている。今回の技術は,符号化歪みを軽減するメカニズムを組み込んだり,画素補間によって発生したぼやけを抑える。人の目で見たときに重要となる人物や物体の輪郭部分にメリハリを効かせた鮮鋭で高画質な拡大映像を実現させるとしている。

 ドコモとモルフォは2009年度中の端末への搭載を目指して,実用化を進める。なお、9月30日から10月4日に千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2008」のNTTドコモのブース内で,今回の技術の映像デモを紹介する予定である。