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 「クラウドコンピューティングといえばサン、と言われるようにしたい」。サン・マイクロシステムズ日本のライオネル・リム社長(写真)は2008年9月18日、同社の事業戦略説明会の場でこう語った。「10年以上前から『The Network is the Computer(ネットワークこそコンピュータ)』という概念を提唱してきた当社だからこそできることがある」。

 今回発表した戦略の目玉は、クラウドコンピューティングへの注力。具体的には、クラウドコンピューティングに関連した事業を展開しようとする顧客に対しての営業活動を厚くする。例えば、SaaS事業者や共同利用型のデータセンター事業者にコンテナ型データセンター「Sun Modular Datacenter」や、同社の仮想化技術を売り込む。

 「Sun Startup Essential」というプログラム名称で新興のネット関連企業への拡販も進める。先進技術を活用したビジネスモデル立案から顧客企業を支援する。「これから成長しそうな、いわゆる“Web2.0企業”を取り込みたい。当社は楽天の創業時から技術面を支援してきた。そのような関係を持つ企業を増やしたい」(新規ビジネス開発本部の中村彰二朗本部長)。

 これら施策を実施するために、14人からなる専任部署「Web2.0チーム」を設立。同チームが顧客とともに、新ビジネスの立案と実装の青写真を描く。「コンサルティングから実装まで担当できるエース級の人材をそろえた」と中村本部長は自負する。

 パートナー施策も強化する。数十億円規模(本誌推定)のファンドを用意して営業活動を支援する。デモ用機器の購入費用や各種販促活動の原資に割り当てる。パートナー施策を担当するマーケティング統括本部の九里禎久統括本部長は「現在、各パートナーとどのような使い道があるか、そのためにはいくらぐらい必要かを協議している」とする。