公正取引委員会は2008年9月18日,米Mirosoftが独占禁止法に違反したとの審判審決を行った。審決で公正取引委員会は,米MicrosoftはWindowsのOEM販売にあたって,特許権侵害訴訟を提起しない条項などを含む契約の締結を余儀なくさせ,OEM業者の事業活動を不当に拘束したとしている。この件は2004年7月13日に排除勧告が行われ,Microsoftはこれを不服として審判が行われていた。

 Microsoftは2004年8月1日以降の直接契約からこの非係争条項を削除している。しかし公正取引委員会では,この条項は,2004年8月以降も引き続き効力を有しており,ライセンスを受けている被審人製品のみならず,その将来製品に及ぶとして,パソコンAV技術取引市場における公正な競争秩序に悪影響を及ぼすおそれがあり,独占禁止法第19条の規定に違反すると認定した。

 実際のOEM販売契約は米Microsoftの日本法人などが行っているが,公正取引委員会では米Micorosft自らOEM業者と交渉し,許諾条件を定め,OEM販売契約上の文言を決定したと認定している。

 公正取引委員会は審決で「Micorosoftは今後出荷されるすべての同社製品に関して,AV(オーディオ・ビジュアル)機能に係る特許権に関する範囲に限り,非係争条項の将来的効力が及ばないことを業務執行機関において決定し,その旨をOEM業者に対し書面で通知しなければならない」と命じている。

◎関連リンク
マイクロソフトコーポレーションに対する審判審決について(ウインドウズのOEM販売契約に係る拘束条件付取引)(公正取引委員会)
審決書(公正取引委員会)