韓国のSamsung Electronicsは現地時間2008年9月17日,米SanDiskに買収を提案したことを明らかにした。SanDiskの全株式を1株あたり26ドルの現金で買い取るという提案で,総額は約58億5000万ドルに及ぶ。

 Samsungは,同社代表取締役副会長兼CEOの李潤雨氏からSanDiskの経営陣に宛てた書簡を公開した。それによると,両社は4か月前から買収に向けた話し合いを続けてきたが,買収条件に難色を示す書簡が9月15日付けでSanDiskからSamsungに届いたという。

 李氏は書簡の中で,SanDisk側の姿勢について,自らの市場価値や買収価格について「非現実的な期待に固執している」と失望を表明。1株あたり26ドルという買収額は,9月15日時点の終値に80%のプレミアムを上乗せした額に相当することを指摘している。

 同氏は買収のメリットについて,両社が1つになり,互いの得意分野を生かすことで,「新たな市場でのフラッシュ・メモリー技術の採用を加速できる」と説明。市場の変動,世界的な経済情勢の悪化,競争の激化といった現在の状況を乗り越えていくために,両社のリソースを活用し,強固な財政基盤を確立して,重要な投資や開発に生かしていくことが必要だと述べている。

 同氏は,買収後のSanDiskについて,Samsung傘下の子会社として運営し,これまでの環境を維持する意向を示した。また,人員削減の計画もないとしている。

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