日本IBMは2008年9月17日、Webアプリケーションサーバーの新版「WebSphere Application Server(WAS)V7.0」を発表した。WebSphere事業部のベイト・デイビット理事は「大規模システムで利用していただけるように、処理の高速化、管理のしやすさ、セキュリティ機能の向上などを実施した」と説明する。出荷開始は9月27日。

 今回、IBMは数十の機能強化を施した。最大の特徴は処理能力の向上。XML処理のチューニングを施すことなどで、Webサービスの実行速度を前版から最大2倍にした。このほか、「Webアプリケーションサーバーのトランザクション処理性能を示す『SPECjAppServer2004』で最速を記録した」(ベイト理事)。

 管理機能も向上させた。従来バージョンとの混在環境でも単一のコンソールで管理できるようにした。同時に、簡易版と高機能版の管理方法も統一した。これにより、バージョンアップしても既存資産の活用が容易になるという。

 オプションでセキュリティ監査機能を設定できる。従来は管理者(アドミニストレータ)権限ですべての操作を実施できていたが、管理者とは別に「承認者」という役割を定められるようにした。これにより、承認者の許可の有無で管理者の操作を制限できる。

 開発環境はJava仕様の最新版であるJava EE5、JDK 6.0に対応した。

 価格は最上位版の「IBM WebSphere Application Server Network Deployment V7.0」が221万7000円から(機種別サーバー単位)、通常版の「IBM WebSphere Application Server V7.0」が58万9900円(同)から、簡易版の「同Express V7.0」が25万7500円(同)から、開発機版の「同for Developers V7.0」が11万900円(同)から。開発環境は「IBM Rational Application Developer for WebSphere Software V7.5」で、60万6400円から(1ユーザー単位)。