クレイ・ジャパン・インクは2008年9月17日、小規模ユーザーに向けたスーパーコンピュータ「CRAY CX-1」を発表した。ローエンドの「パーソナルスパコン」と位置付ける。クレイ・ジャパンの中野守社長は「センターのスパコンは運用がルール化されている。CX-1は部門やプロジェクト、少数の研究者などでより自由に活用してもらいたい」と説明する(写真1)。
特徴はオフィスのデスクサイドなどに置けるほどきょう体がコンパクトなこと(写真2)。実際にオフィス内に設置するため、240ボルトだけでなく100ボルトの電源でも駆動できるようにした。また、アクティブ型のノイズキャンセラ装置を装備しており、冷却ファンの騒音を抑えられる。
CX-1はブレード単位でシステムを構成する(写真3)。プロセサ、ストレージ、3次元グラフィックスのブレードを用意しており、シャーシ内の高速バスでつなぐ。プロセサはクレイとしては初めてインテル製を採用した。Xeonの4コア版を搭載しており、最大の8ブレードで16プロセサの64コアの構成となる。この構成での論理性能が0.76テラFLOPSだという。OSはユーザーが選んだものをプリインストールして出荷する。マイクロソフトが来月に発表する「Windows HPC Server 2008」もしくは「Red Hat Enterprise Linux」から選択できる。
価格は4ブレードの最小構成で約350万円。最大構成で700万円程度の見通し。代理店を通して販売する。出荷開始は10月中旬の予定。