欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギー時間2008年9月16日,TDKによるドイツ電子部品メーカーEPCOSの買収を承認すると発表した。この買収が欧州経済地域における健全な競争に悪影響を及ぼすことはないとの判断である。

 TDKはビデオテープやCD-R,ミニディスク,DVDといった記録メディアのほか,電子材料の開発,生産,販売を行っている。一方,EPCOSは受動部品や電気機械部品などを中心に,電子部品の開発,製造,販売を手がけている。

 ECは,両社の事業が受動部品の分野で重複しているものの,その範囲は限定的で,合併後も他社との競争を強いられると判断した。また両社の合併は,顧客企業がサプライヤを自由に選択する権利を阻むものではないという結論に達した。

 TDKはEPCOSの全発行済み株式を対象に公開買付を実施し,2008年10月までに株式取得を終える見込み。買収総額は約14億ユーロ。買収後は両社の電子部品事業を統合し,TDKの代表者3名とEPCOSの代表者2名で取締役会を構成する。