上級システムアドミニストレータ連絡会の山中吉明会長
上級システムアドミニストレータ連絡会の山中吉明会長
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 「資格試験としての“シスアド”はなくなるが、これまで培ってきた“シスアド”の存在価値はなくならない」。上級システムアドミニストレータ連絡会の山中吉明会長(写真)は9月14日、同連絡会の第9回全国大会でこう語った。

 同連絡会は、情報処理技術者試験「上級システムアドミニストレータ」の資格取得者同士が交流することを目的に1997年に設立された。山中会長が上記のように語ったのは、2009年度からの情報処理技術者試験の改定で「システムアドミニストレータ」という名称が消えるからだ。上級システムアドミニストレータ試験はシステムアナリスト試験と統合、「ITストラテジスト」に名称を変更する。

 山中会長は、「ITストラテジストの役割を読んだが、従来の上級アドミニストレータとは別物と考える」という。「ユーザー企業の立場にあり、業務の現場に精通し熱意を持ってITを駆使した改革を実施するという、私たちが培ってきた“シスアド”のイメージに合わない」と続ける。

 そこで同連絡会は情報処理技術者試験と切り離して“シスアド”を改めて定義。「システムアドミニストレータ宣言」として公開した。連絡会の活動目的を、試験の合格者同士の交流から“シスアド”の重要性を社会に訴求していくものに変更。名称も2009年1月1日から「日本システムアドミニストレータ連絡会」に変える。

 「特定の試験合格者のための団体ではなく、“シスアド”が集まって自己スキルを向上させたり、次世代の“シスアド”を育成するための場にしていきたい」と山中会長は意気込む。