米VMwareは米国時間2008年9月15日，同社が米ラスベガスで開催中の「VMworld 2008」で新しい仮想化製品と技術を発表した。これらの製品と技術により，サーバー，ストレージ，ネットワークといったハードウエア・リソースを社内の“クラウド”に集約して運用する仮想データセンターOS「Virtual Datacenter Operating System（VDC-OS）」の構築を目指す。

　VDC-OSは，ハードウエア・リソースを効率的に社内クラウドに集約し，さらに多くの処理能力が必要とされる場合に外部のクラウドを利用できるようにするもの。従来のOSは，単一のサーバー向けに最適化され，そのインタフェースに合わせて書かれたアプリケーションしかサポートしないが，VDC-OSは「データセンター全体のOS」としての役割を果たし，Windowsアプリケーションから混在OS環境向けアプリケーションまで多様なアプリケーションに対応する。

　VMwareは，VDC-OSの実現に向けてアプリケーション・サービス群「Application vServices」，インフラ・サービス群「Infrastructure vServices」，クラウド・サービス群「Cloud vServices」を提供する。

　Application vServicesは，OSや開発フレームワーク，アーキテクチャに関係なくすべてのアプリケーションの可用性，セキュリティ，拡張性のサービス・レベルを保証するサービス。ハードウエアおよびソフトウエアのクラスタリング製品無しでダウンタイムとデータ損失をゼロに抑えるサービス「Fault Tolerance」，ディスク・ベースのバックアップとリカバリ機能「Data Recovery」などを提供する。また，管理者によるアプリケーションの導入と管理をサポートする機能として，VDC-OSがアプリケーションのポリシーを自動的に解釈して適用できるようにする「vApp」と，オーサリングおよび構成ツール「VMware Studio」も発表した。

　Infrastructure vServicesは，リソースを社内クラウドに集約し，必要なアプリケーションに割り当てるサービス。ストレージ要件を低減させる「vStorage」や仮想ネットワークの設定や変更をサポートする「vNetwork Distributed Switch」などを提供する。

　Cloud vServicesは，社内と社外のクラウド間でワークロードを安全に統合できるようにする機能を提供する。このほかにも，VMwareはVDC-OSの管理の自動化をサポートする機能なども発表している。

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