NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクモバイルの携帯電話各社は2008年9月12日,未成年者に対して有害なサイトへのアクセスを制限するフィルタリング・サービスを,2009年1月から既存ユーザーに対しても適用していくことを発表した。

 これまで各社は総務省の要請などを受けて,新規加入のユーザーに対して原則ブラックリスト方式のフィルタリング・サービスを適用する体制を整えてきたが(関連記事),既存ユーザーに対する取り組みが遅れていた。NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクモバイルの3社は2008年10月以降,既存ユーザーに対して請求書などでフィルタリング・サービスの利用意向を確認。親権者から不要の申し出がない限り,既存ユーザーに対しても以後はフィルタリング・サービスを適用していく。適用時期はNTTドコモが2009年1月下旬から,KDDIが2009年2月中旬から,ソフトバンクモバイルが2009年2月から。PHS事業者であるウィルコムも,ダイレクトメールなどで既存ユーザーへフィルタリング・サービス加入の意思確認を徹底していく。

 併せて各社は,有限責任中間法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA,関連記事)が健全性を認定したサイトを,フィルタリング・サービスのアクセス制限の対象外にしていくことを発表した。現在ブラックリスト方式のフィルタリング・サービスでは,「コミュニティ」など特定のカテゴリに含まれるサイトが一律でアクセス制限される。自分で書き込んだ掲示板サイトも閲覧できなくなるといったケースが発生し,ユーザーやコンテンツ・プロバイダから不満の声が上がっていた。EMAの認定を受けたサイトであれば,このような不便を避けられる。こちらの適用時期は,NTTドコモが2009年1月9日,KDDIが2009年2月,ソフトバンクモバイルが2009年1月末,ウィルコムが2009年1月から。

 さらにNTTドコモとKDDIは,閲覧できるサイトを親権者が個別にカスタマイズできる機能も提供していく。NTTドコモは2009年1月9日から開始予定で,利用料金は無料。KDDIは開始時期などの詳細を後日発表するという。

フィルタリングの加入者は7月末段階で約430万に

 また電気通信事業者協会(TCA)は同日,携帯電話・PHS事業者各社のフィルタリング・サービスの利用状況を四半期ごとに公開していくと発表した。直近の2008年7月末の各社のフィルタリング・サービスの加入数は約430万で,2008年3月末から約87万増えている。次回は10月上旬に2008年9月末の加入数を公開する予定だという。

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