写真●伊賀健一東工大学長(左)とNTTの宇治則孝副社長(右)が連携協定に調印
写真●伊賀健一東工大学長(左)とNTTの宇治則孝副社長(右)が連携協定に調印
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTと東京工業大学は2008年9月10日、組織的に連携協力するための協定を締結した。双方に連携窓口を設けて、光デバイス分野、環境エネルギー分野など情報通信分野を中心に共同研究や人材交流を進める。産学連携による独創的技術を持続的に創造することが狙い。今年度後期から複数のテーマで共同研究を始める。

 「東工大は日本最大の理工系大学。お互いの強みを伸ばし、足りない部分は補ってシナジー効果を生み出したい。効果は共同特許の数に現れてくると思うので、従来を上回る特許取得を期待する」――。NTTの宇治則孝副社長は、今回の連携協定についてこう語った。

 NTTはこれまで8社の企業と組織的連携を進めており、東工大とも教員、研究員間の個別交流はあったという。今回は双方の産学連携責任者、研究代表者などからなる「連携協議会」が窓口となり、組織対組織の連携を進める。「次世代波長多重通信のための低消費電力・集積型半導体レーザーに関する研究」など、情報通信分野を中心としたテーマで共同研究を行う。

 NTTと東工大は今後、教育・人材育成活動にも積極的に取り組む考えだ。具体的には大学院生やポスドクなどにNTTとの共同研究、インターンシップ参加の機会を提供する。「今までもNTTでのインターンシップは実施していたが、比較的短期のプログラムが多かった。長期にわたり企業の研究活動に携わることで、大学院生やポスドクの就職先の選択肢を増やしたい」と東工大の伊賀健一学長は語った。