日本IBM,クラウドをターゲットにした大規模ストレージ製品を発表日本IBMは2008年9月9日,「IBM XIV ストレージ・システム モデル A14」と「IBM System Storage ProtecTIER Enterprise Edition V2.1」という新ストレージ製品2種を発表した。クラウド・コンピューティングのような,大規模のデータを柔軟に取り扱う必要のあるシステムでの利用を想定した製品である。 クラウド・コンピューティングが普及してくると,取り扱うデータ量が大幅に増えることが予測される。日本IBMでは,「個人の平均的な情報保有量は現在の1Tバイトから2020年には16Tバイトになると予測している」(システム製品事業プラットフォーム ストレージ事業部長の吉松正三氏)という。だが,いつどのくらい必要になるかといった「将来に必要な量を予測するのは困難」(吉松氏)という特徴がある。そこで今回の新製品では,データ量が増大したときにストレージの容量を柔軟に増やせるようにした。それにより,アクセス頻度の少ない情報についても,いつでもすぐにアクセスできるように保存できる。 「IBM XIV ストレージ・システム モデル A14」は,2008年1月に買収したイスラエルXIV社の技術を組み込んだストレージ製品。1TバイトのSATAディスクを12個装備する「データ・モジュール」を15モジュールまで搭載可能。データ・モジュールは必要に応じて追加でき,最大で180Tバイトの物理ストレージ容量まで自由に拡張できる。IBM XIV ストレージ・システム モデル A14の特徴は,その時点で搭載しているディスク間で常に処理を平準化しながら作業を進めること。利用可能なディスクが増えたり減ったりすると,すぐに新しいディスク構成に合わせた形にデータを再配置する。 保存するデータは1Mバイトずつのブロックに分割し,それぞれのブロックを複数のディスクに分散して保管する。こうすることで,個々のディスクの使用率を平準化され,読み書きの速度も向上する。各ブロックは常に二つのディスクにミラーリングしながら書き込むことで,ディスクに障害が発生しても別のディスクに保管したブロックを読み出すことでデータの損失を防ぐ。障害が発生した部分に保管していたデータは,自動的に稼働しているほかのディスク上に改めて書き込む。こうすることで,データを複数のディスクにミラーリングしている状態を復元し,ミラーリングしていない状態をなるべく短くし信頼性を向上させる。 もう1つの「IBM System Storage ProtecTIER Enterprise Edition V2.1」は,大容量のデータを効率的にバックアップするための製品である。大規模なシステムになると,同じデータがいくつも保存されていることがよくある。たとえば,複数の人に添付ファイルを付けたメールを同報すると,同じデータが複数のメールボックスに保管されることになる。同様に,ファイル・サーバーなどでも,共用データを自分の領域にコピーするユーザーがいると,まったく同じデータが複数存在することになる。 今回のIBM System Storage ProtecTIER Enterprise Edition V2.1は,バックアップやアーカイブを実行するサーバーと,データを保管するストレージの間にゲートウエイとして設置するもの。同じデータが複数存在する情報をバックアップ/アーカイブする場合に,途中で重複情報を検出しストレージ上には1つだけ保存するように制御する。実際にストレージ上に保存する情報を削減することで,バックアップするデータ量の削減と処理の高速化を実現する。 「IBM XIV ストレージ・システム モデル A14」は約6400万円から,「IBM System Storage ProtecTIER Enterprise Edition V2.1」は約2200万円から。2008年9月9日より出荷を開始している。 |
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