米Googleは,サーバー・ログの保存期間を従来の18カ月から9カ月に短縮する方針を,米国時間2008年9月8日に発表した。欧州や米国の規制団体が懸念を示しているプライバシ保護の問題に対する措置としている。

 Googleは2007年3月に,サーバー・ログのデータを18~24カ月保存した後に匿名化する方針を発表した(関連記事:Google,検索ログを匿名化するプライバシ保護策を発表)。しかし,欧州連合(EU)のデータ保護に関する29条調査委員会(Article 29 Working Party)から,当ポリシーのより詳細な情報を求められ,協議の結果,同年6月にログ保存期間を18カ月にすることを決定した(関連記事:Google,サーバー・ログの保存期間を18カ月に短縮)。

 Googleは,ログの匿名化がプライバシ保護を強化するために良い措置だとしながらも,これらデータが同社サービスの革新においてたいへん重要だと主張している。同社はデータ保持がサービス向上やセキュリティ強化に有効であるとの説明を,繰り返しブログに投稿してきた。

 しかしその後も,主に米国と欧州の規制団体が引き続きログ保持に関するポリシーの説明と正当性の証明を求めてきたため,今回,保存期間の短縮を決定したという。同社は「この判断がプライバシ強化につながることは喜ばしいが,セキュリティ,品質,革新においては損失になる可能性がある」とコメントしている。

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