[画像のクリックで拡大表示]

 ノベルの堀昭一社長(写真)に、仮想化ソリューションを売るための新しいパートナー戦略について聞いた。9月4日に発表したもので、日本独自のパートナープログラムとして立ち上げている。「既にカシオ計算機や住友電気工業、パイオニアなど、仮想化ソフトのXenとノベルのSUSE Linux Enterprise Serverを活用してサーバー統合した事例がいくつも出てきている。こうした勢いを生かし、ミッションクリティカルやハイパフォーマンスのビジネスに続く第三の柱として、仮想化事業を推進していく。そこで今回、新規パートナーを獲得するキャンペーンとして、新しいパートナープログラムを用意した」と背景を語った。主な内容は次の通り。

■今回のキャンペーンでは、費用負担などハードルを低くすることでパートナーの拡大を図ることが狙い。例えば、パートナープログラム「Novell PartnerNet」の中にある参加資格「シルバー・ソリューション・プロバイダ」の年会費を、初年度は無料にする。無制限で受け付ける問い合わせのサービスもある。さらに新規のパートナーには、ノベルの認定資格「CLP (Certified Linux Professional)」を取得するためのトレーニングとテスト受講料を1社2人まで無料とする。キャンペーン期間は9月10日から10月末日で、期間中に50社の新規パートナーの獲得が目標だ。

■このほか、先般発表した仮想化ソリューション「Xen仮想化スターターキット」の販売拡大を狙ったキャンペーンも展開する。これは日本IBMやサイオステクノロジーとの協業で提供するキット。キャンペーンでは、インセンティブプランを件数限定で実施したり、12月31日までユーザー企業へのソフト価格の優遇なども行う。評価機を貸し出すプログラムもある。

■仮想化ソフトというと「VMware」の名前が真っ先に上がるだろうが、最近のユーザー企業の中には、VMwareに対するもう一方の選択肢として、Xenに関心を持つケースが増えている。VMwareだけでは採用を判断できず、比較対象となる製品を求めているためだろう。そうしたきっかけで、Xenのメリットを理解してくれるユーザー企業も多く、VMwareからXenに切り替えた事例もある。パートナーにとっても仮想化ソリューションの提案の幅が広がるだろう。

■ただしVMwareと対抗するつもりはなく、競合しながらも国内の仮想化市場をもっと拡大できればと思っている。新しいパートナープログラムでパートナーを増やし、当社の仮想化ビジネスを50%ぐらい伸ばしていきたい。海外ではシステムの仮想化が当たり前になってきている。日本では、これからの1年間が仮想化ビジネスの勝負になるだろう。