デルは2008年11月中旬をメドに,「Dell Latitude ON」と呼ぶ新機能を追加した法人向けノートPC「Latitude E4200/E4300」を出荷する。Dell Latitude ONはOSの起動を待つことなく,受信メールの確認,Webサイトの閲覧などを可能にする機能である。例えば,出先で受信メールを確認したい時,キーボードの脇に新たに設けた専用ボタンを押すと,すぐにメールを確認できる。従来のPCのように,メール・ソフトなどを使う前,OSを起動させる時間をかける必要はなくなる。

 今回の新機能は,メール・ソフトやWebブラウザなどの処理専用のサブプロセッサを,PCに追加することで実現する。サブプロセッサでは,メインOSのWindowsとは別に,LinuxをサブOSとして稼働させる。メール・ソフトやWebブラウザなどは,サブOSであるLinux上で動かす。

 受信メールの確認やWebサイトの閲覧がすぐにできるのは,サブOSであるLinuxとサブプロセッサをあらかじめ待機状態にしておくからだ。「メール・ソフトなどを最小限の時間で利用できるうえに,省電力にもつながる」と,デルの常松正樹氏(クライアント・マーケティング本部 ディレクター)は新機能のメリットを説明する。

 サブプロセッサは,PCの内蔵バッテリーで数日間駆動できるように,低電圧のものを採用する。Latitude E4200/E4300は9月中に出荷を開始するが,Dell Latitude ONの搭載版は11月から出荷を始める。Dell Latitude ONの搭載版の価格は9月4日時点で未定。2008年11月に公表する見込みだ。