
日経BP社・日経ネットマーケティングは2008年8月28日、「ケータイマーケティングのすべて――サイト構築、集客からコンテンツづくりのノウハウが1日で分かる!」と題したセミナーを、東京コンファレンスセンター(東京都港区)で開催した。
従来ケータイを活用したマーケティングは若年層がターゲットという認識が強かったが、ケータイインターネット利用者の世代・性別はともに急速に拡大しており、ケータイの活用は企業のネットマーケティング戦略においても欠かせない。本セミナーでは、登壇者がノウハウや事例を基に、サイト構築方法、SEM(検索エンジンマーケティング)、メール配信、コンテンツ作りなどケータイマーケティング成功の勘所を披露した。
基調講演では、グーグルのモバイルビジネス統括部長日本&アジアパシフィックのジョン・ラーゲリン氏とエバンジェリストの高広伯彦氏が登壇。グーグルのケータイへの取り組みについて2部構成の講演をした。
ケータイは週末に利用が高まる

まず、ラーゲリン氏が「Googleのケータイへの取り組み」と題して講演した。最初にインターネットでユーザーが求めているものを「『シームレスな接続』『情報を見つけだすこと』『ビジネス』『コミュニケーション&コラボレーション』の4つである」と説明した。その中でもユーザーは特に、グーグルが提供するサービスがパソコンとケータイでシームレスになることを期待しているという。同社のサービスでは、「Google マップ」や「YouTube」などをケータイに対応しているが、ユーザーを満足させられる完成度には至ってないと、グーグルが提供するサービスのケータイ対応の状況を説明した。
次にケータイ版「Google」の利用状況のデータを用いて、ユーザーの動向を解説した。それによると、朝から徐々に利用数が上昇し、昼時に一旦ピークを迎える、その後再び夕方にかけて上昇していき、21~24時の間に最大に達するという。この結果をラーゲリン氏は「ケータイは電車などで移動する際の暇つぶしに利用されることが多いと考えがちだが、実際は落ち着いたときに利用する比率が高い」と、ケータイマーケティングでは、ターゲットが家にいる時間帯を狙うことも有効になることを示した。
また、平日と休日でも検索数に傾向の違いがでる。パソコンの検索数が週末にかけて減少するのに対して、ケータイ検索数は上昇するという。購買意欲が高まる週末こそケータイを使ったマーケティングに可能性があると説明した。
今後、ケータイがユーザーにもたらすことができる新しい価値としては、ブラウザーの機能向上を挙げた。ケータイインターネットのブロードバンド化や端末の高機能化など、リッチなコンテンツを配信できる環境は整っている。次にユーザーに提供できる価値は、AJAXやCSSへの対応など、ブラウザーの進化によってパソコンとケータイをシームレスにつなぐことだという。ラーゲリン氏は「ケータイだからリッチなコンテンツは配信できない、という言い訳は通用しなくなる」と強調した。