写真●ディスプレイに漢字を表示している様子
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 電子署名やネットワーク認証製品を開発・販売するバスコ・データ・セキュリティ・ジャパン(バスコ)は2008年9月2日、日本語表示可能なカードリーダー型認証トークン「DIGIPASS 810」を発表した。インターネット取引などで使う。ICチップ搭載のクレジットカードやキャッシュカードをトークンに差し込むと「選択」「暗証番号入力」などの指示を漢字やひらがなで表示する。指示を英語で表示する従来製品に比べ、日本人の使い勝手を高めた。

 DIGIPASS 810はインターネット取引のセキュリティを高めるための製品。ICチップ搭載のカードをトークンに差し込み、テンキーで暗証番号を入力する。ここで生成したワンタイムパスワードをWebブラウザに入力して本人認証を行う。「手元にカードとトークンを確実に持っており、かつ暗証番号を知っているという2要素があって初めて本人認証が可能になる」とバスコの相原敬雄日本ディレクターは説明する。金融機関はトークン保持者が間違いなく顧客本人であることを確認したうえで取引できる。

 DIGIPASS 810はEMV-CAP(Chip Authentication Program)とCAP-E(CAP Enhanced)という2つの仕様に準拠する。EMV-CAPとはEuropay、MasterCard、VISAインターナショナルの3社が策定した、電子認証を行うための世界標準規格。CAP-EとはMasterCardが発表した、今まで発行したすべてのEMV-CAP対応ICチップ搭載クレジットカードの細かい仕様の違いを吸収する仕様。CAP-Eに準拠することで、すべてのカードで統一した認証が可能になる。

 価格はオープン価格。「1年以内に国内の金融機関、クレジットカード会社などに導入したい」と相原ディレクターは語る。