KDDIは2008年9月1日,内線番号を用いて固定電話と携帯電話間の通話を定額でやり取りできる法人向けFMC(fixed mobile convergence)サービス「KDDIビジネスコールダイレクト」を2009年春から開始すると発表した。料金は現在のところ未定。決まり次第発表するとしている。

 KDDIはこれまでも,あらかじめグループとして登録した同社の固定電話と携帯電話間の通話について定額化する法人向けサービス「ビジネス通話定額」を提供してきた(関連記事)。だが,発信する際には,固定電話と携帯電話のどちらにかけるかを意識して外線番号を入力する必要があった。今回のKDDIビジネスコールダイレクトでは,企業のPBXとauの携帯電話網,KDDIのIP電話網を連携させることで,固定と携帯のすべての電話間で内線番号だけでやり取りできる環境を用意。法人ユーザーからニーズが高かったという社内外の内線ワンナンバーを実現した。同社の拠点間内線接続サービス「KDDI-IPフォン セントレックス (タイプ1)」を拡充することで実現したという。

 利用できる機能は,内線番号発信によるau携帯電話とKDDI固定電話からの通話,通話相手への内線番号通知。定額通話対象となるKDDI固定電話は,KDDIメタルプラス(事業所用),KDDI光ダイレクト,KDDI光ダイレクトover Powered Ethernet,KDDI-IPフォンなど,IP系サービスに限る。ほとんどのau携帯電話が対応予定だが,具体的な機種名は2009年以降にアナウンスする。

 オプション・サービスとして,内線番号でPBX配下の固定電話に個別着信する機能や,au携帯電話からの内線着信転送も提供する予定だ。PBXの機種や固定回線の種別によっては,内線番号の通知・表示が不可の場合もあり,今後対応PBXをWebページなどでアナウンスしていく計画。

 なおKDDIビジネスコールダイレクトと同様に,内線ワンナンバーを実現するFMCサービスとしては,ウィルコムが2007年末から提供している「W-VPN」がある(関連記事)。

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