欧州連合(EU)の執行機関,欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2008年8月28日,携帯電話の国際ローミング料金規制「EU Roaming Regulation」で適用している上限料金を8月30日から下げると発表した。1分当たりのローミング料金の上限を,発信はこれまでの0.49ユーロから0.46ユーロに,着信は0.24ユーロから0.22ユーロに,それぞれ下げる。

 EU Roaming Regulationでは,上限付きのローミング料金制度「Eurotariff」の導入を携帯電話事業者に義務付けている。この料金は,EU圏内の他国間で音声通話を行った際に適用される。2007年7月にこの制度が導入された結果,EU諸国の消費者が支払う国際ローミング料金は最大60%低下した(関連記事:新規制導入後のEU諸国のローミング料金,最大60%低下)。今回の上限料金値下げで,さらなる料金低下が期待されるという。

 ただし現状では,EU Roaming Regulationの規制の対象は音声通話に限定されている。ECは今回の発表の中で,テキスト・メッセージやデータ・サービスのローミング料金は依然として「不当に高すぎる」と指摘している。

 現行のEU Roaming Regulationの期限は2010年6月30日までとなっている。ECでは,同制度の期限延長や範囲拡大について,欧州議会と欧州理事会に対して今年中に提言する。

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