米IBMは米国と英国で現地時間2008年8月28日,世界で最も高速なハード・ディスク装置(HDD)ベースのストレージ・システムに比べ,250%以上速い半導体ディスク(SSD)ストレージ・システム「Project Quicksilver」(開発コード名)を発表した。同社の英国ハースレイにある研究開発施設と,カリフォルニア州のアルマデン研究センターで試作した。

 Quicksilverは企業向けのストレージ・システム。SSDとストレージ仮想化技術を組み合わせた。ストレージ用ベンチマーク・テストSAN Volume Controller SPC-1で処理速度を測ったところ,世界最速のHDDシステムに比べ250%高速で,応答時間は20分の1未満,1秒当たりのデータ入出力回数は100万回を超えたという。さらに,設置面積は5分の1,消費電力/冷却コストは55%で済むとしている。

 同社は,Quicksilverによるストレージ・システム高速化で企業の業務効率が高まり,従来と同じ時間で2~3倍多くの作業を処理できると見込む。

 なお,同社は2007年6月よりブレード・サーバー製品系列「IBM BladeCenter」の一部モデル向けにSSDを販売している。

 米メディア(CNET News.com)によると,Quicksilverの記憶容量は4.1Tバイトで,米Fusion-io製SSDを採用したという。

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■変更履歴
本文第二段落で250倍としていましたが,250%です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/09/01 12:15]