総務省は2008年8月28日,KDDIのメール・サービス「au one net」やauの「EZweb」で7月以降に相次いで判明した4件の事故を問題視し,同社に行政指導した。問題の事故は以下の4件。

 1件目は,au one netのwebメール・サービスで他人のメールが閲覧可能になった事故。影響を受けたのは3人。原因はパラメータの設定ミスで,十分に確認しないまま不適切な値を設定した。間違ったパラメータを設定した日は2007年12月19日だが,上記の現象が発生したのは2008年2月29日以降という。

 2件目は,au one netのメール・サービスで設定条件に合致しない着信拒否や転送が発生した事故。影響を受けたのは540ID。同社が総務省に報告した内容によると,原因は「新しいメール・フィルタの構築時に文字変換ソフトを交換したが,特定の文字を正確に変換できないものだったため」としている。

 3件目は,EZwebでWebの閲覧や電子メールなどを利用できなくなった事故。パケット通信設備の不具合が原因で,最大約200万人に影響が出た。

 4件目は,EZwebでWebを閲覧できなくなった事故。サーバーの不具合が原因で,詳細は調査中。影響を受けたのは約4万人。

 事故の発生日は1件目が2月29日,2件目が7月2日,3件目が8月2日,4件目が8月24日。1件目は2月になるが,同社が事故を確認したのは7月24日(ユーザーからの不具合の申告は7月18日)である(関連記事1関連記事2)。総務省は「短い期間に事故が相次いだことに加え,ケアレスミスに近い内容も見受けられる」(総務省)ことを問題視し,総合通信基盤局長名の文書でKDDIに行政指導した。

 KDDIは今回の行政指導について「お客様にご迷惑をおかけしたことを,改めて深くお詫び申し上げます。再発防止策をして検討して参ります」とコメントしている。

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