写真1●マイクロソフトの樋口泰行社長
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写真2●日本のITエンジニアに対する「約束」の進捗状況
写真2●日本のITエンジニアに対する「約束」の進捗状況
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 「Microsoft本社の重役の『スコアカード』(業績を評価する指標)に,今回初めて『品質』が加わった」--。マイクロソフトの樋口泰行社長(写真1)は2008年8月26日,横浜市で開幕した「TechEd 2008 Yokohama」の基調講演で,同社が品質改善に力を入れている象徴の一つとして,重役の評価基準に変更があったという逸話を明らかにした。

 マイクロソフトは2008年4月に,日本のITエンジニアに対して「日本語の技術資料を増やす」「製品の品質改善要求をMicrosoft本社に要求する」といった「約束」を提示している。その中でも,「品質に対する要求は日本が一番高い」ことから,品質改善に力を注いでいるという。日本法人と本社のコミュニケーションを密にし,品質改善のフィードバックを従来にも増して行うようにしたところ,本社の重役の業績も,製品の品質によって評価されるようになったという。もっともこれに関して樋口社長は「今まで評価項目に品質が無かったことがひどい話ですが…」と苦笑いしていた。

 このほか樋口社長は,2008年4月からの6カ月間で「合計1万ページ」の技術資料を日本語に翻訳するという約束をこの8月に前倒しで達成し,さらに今後10カ月間で1万ページの技術資料を追加で翻訳することや,中堅・中小企業のエンジニアを対象としたWindowsクライアントに関する技術講習会を開始したことなど,ITエンジニアに対する「約束」の進捗状況も報告した(写真2)。特に技術情報に関しては「(翻訳資料を増やしたところ)当初の2倍のアクセス数を記録した。これを励みに,今後もさらに技術資料を充実させる」と強調している。

 マイクロソフトの「TechEd Yokohama」は毎年開催されているITエンジニア向けの技術イベントで,今回は2500人のエンジニアが参加した。サーバー製品や開発製品を中心に,4日間のセッションが行われる。