写真1●ヤマハのRTX1200
写真1●ヤマハのRTX1200
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 ヤマハは2008年8月27日,SOHOルーターの新製品「RTX1200」を10月下旬に発売すると発表した(写真1)。RTX1200は,現行の「RTX1100」の後継という位置付けで,価格も11万8000円(税別)に据え置く。

 RTX1200の特徴は,(1)LANポートのギガビット・イーサ対応と省電力化,(2)ルーターの多機能化と高性能化,(3)運用管理の軽減と携帯電話連携――の三つにまとめられるという。「すべての面で競合製品を上回るようにした」(ヤマハ サウンドネットワーク事業部 営業部 営業企画グループの平野尚志課長代理)。

 (1)については,10ポートあるすべてのLANポートをギガビット・イーサネット対応にしたという。現行のRTX1100が100Mイーサネットを6ポート備えているのに対して,RTX1200は高速化とポート数増加の両方を実現した。ポート数を増やしたのは,同クラスの想定競合機種の一つであるシスコの「1812J」を意識してのこと。1812Jは10ポートの100Mイーサネット・ポートを備えており,RTX1200がポート数を同じにすることで,速度とポート数の両方の観点からユーザーがRTX1200を選んでもらえるようにしたという。

 省電力化については,個別のLANポートをコマンドでシャットダウンしたり,未使用ポートを自動的にシャットダウンしたりする省エネ機能を搭載した。同様に,ISDNポートやUSBポートなども未使用時にシャットダウンする機能を備えている。このほか,電力効率を考慮した電源回路を自社設計するなどの工夫を盛り込んだ。

 (2)については,ネットワークの大規模化やセッションの増加に耐え得るように性能強化を図った。RT1100に比べて,経路数は2000から1万へ,VPN対地数(論理回線数)が30から100へ,動的フィルタ・セッション数が2000から2万へ,NATセッション数が4096から2万へ,と大幅に強化されている。このほか,P2Pファイル共有ソフトの検知については,従来のWinnyフィルタに加えて,Shareフィルタを追加した。

 最後の(3)では,microSDのインタフェースを搭載し,コンフィグやファームウエアを納めたmicroSDカードから起動できるようにした。これによって,設置時の手間を大きく省けるという。さらに,USBポートに携帯電話やUSB型データ通信端末を接続し,ワイヤレスWAN回線として利用できる。これは有線のWAN回線に対するバックアップ回線に使えるとしている。利用できる携帯端末の機種は現在検討中だが,NTTドコモやイー・モバイルを考えているという。

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