エンバカデロ・テクノロジーズは2008年8月26日,Windows向け開発環境の新製品「Delphi 2009」「C++ Builder 2009」を発売した。出荷開始は9月18日。Delphi 2009は2007年2月に発売した「Delphi 2007 for Win32」の,C++ Builder 2009は2007年5月に発表した「C++ Builder 2007」の後継に当たる。 米Embarcadero Technologiesが米Borland SoftwareのCodeGear部門を買収したのに伴い,日本ではエンバカデロ・テクノロジーズがDelphiやC++ Builderといった製品を受け継いでいる。

 Delphi 2009とC++ Builder 2009では以下の改良を施した。(1)統合開発環境,コンパイラ,クラス・ライブラリをUnicodeベースにした(従来はASCIIとシフトJISなどをベースにしていた),(2)Microsoft Office 2007の「リボン」を含めるなど,クラス・ライブラリ「Visual Component Library」を改良した,(3)言語仕様を強化した(Delphi言語にジェネリクスや匿名メソッドを追加,C++言語でC++の次期標準「C++0x(シープラスプラスゼロエックス)」をサポート),(4)最上位パッケージ「Architect」に従来から米Embarcaderoが持っていたデータ・モデリング・ツール「E/R Studio」の「Developer Edition」を搭載した,など。

 Delphi 2009とC++ Builder 2009は,Windows 2000/XP/Vista/Server 2003/2008で動作する。価格はDelphi 2009 Professionalが9万8000円(バージョンアップ価格は4万6000円),C++ Builder 2009 Professionalが9万8000円(4万6000円),Delphi 2009 & C++ Builder 2009 Bundle Professionalが12万8000円(6万円)など。上位パッケージとして,各種データベース・サーバーへのアクセス機能を備えた「Enterprise」,さらに設計関連の機能を付け加えた「Architect」も用意している。