NECソフトは,低コストの企業向けバックアップ・サービス「オンラインバックアップASP」を2008年8月25日に開始した。初期導入費用が不要で従量制による月額課金としたのが特徴。月額利用料(税込み)は1ユーザー当たり105円,1Gバイト当たり525円。向こう3年間に100社(3万ユーザー)の獲得と約2億円の売り上げを見込む。

 このサービスでは,バックアップ対象のパソコン上で動作する専用ソフトを使って,データセンターにあるオンライン・ストレージへデータをバックアップする。設定したスケジュールに従い,差分データを暗号化してSSL(Secure Sockets Layer)プロトコルで転送する。専用ソフトの稼働OSはWindowsファミリで,オンライン・ストレージにはBIGLOBEの「低コストストレージ基盤」を採用した。

 料金を低額に設定できたのは,利用しているBIGLOBEのストレージ基盤が複数のPCサーバーによる分散ストレージという低コストの実現形態を採用しているため。すでにBIGLOBEは2008年7月から,BIGLOBE会員向けに5Gバイト当たり月額263円のオンライン・ストレージ・サービスを提供している。今回のバックアップ・サービスは,このストレージ基盤を企業向けに応用した製品という位置付けにある。

 機能面での特徴は,以下の通り。(1)ユーザー企業のシステム管理者が,ユーザー・アカウントを追加/削除でき,全社や各ユーザーの利用状況を把握できる。(2)専用ソフトを使わなくても,社外からインターネット経由でオンライン・ストレージにアクセスできる。(3)バックアップ対象はフォルダ名や拡張子で指定でき,ファイル単位の世代管理が可能。(4)バックアップ・スケジュールではWindows起動/終了時や時刻を指定可能,など。