総務省は2008年8月22日、「ユビキタス特区」事業の委託先候補を決定したと発表。企業版“住基ネット(住民基本台帳ネットワークシステム)”ともいえる「企業ディレクトリ」の委託先候補をNTTソフトウェアとすることを明らかにした。企業ディレクトリに関する委託事業の実施予定額は約2億8000万円。

 ユビキタス特区は総務省が主導するICTサービスの開発・実証プロジェクト。委託先は順次発表されており、今回は企業ディレクトリを含め2件の発表があった。

 企業ディレクトリは電子的な企業台帳のこと。会社名、所在地、設立年月日、電話番号といった企業情報をまとめた巨大なデータベースである。一意的なID番号を付与するコード体系を企業情報とひも付け、ID番号で企業を特定できるようにする。

 今回の実証実験では、電話番号を企業IDとして利用。これをIPネットワーク上で公開し、多くの公的機関や民間企業が企業台帳を利用できるようにする。希望する企業のみを企業ディレクトリに登録する点が住基ネットとは異なる。

 企業ディレクトリでは、企業と一意にひも付いたIDを活用して様々なシステムの利便性を上げることを目指す。例えば、自社が登録したIDを電子政府システムのシングルサインオンなどに利用する。このほか、他社が登録したIDをデータベースの名寄せやシステム間連携などに活用する。