2008年8月19日(米国時間)から開催されているIntel Developer Forum最終日の基調講演は、米IntelのCTO(Chief Technical Officer)のJustin Rattner氏が、「40年後には機械が人間の知能を上回る特異点(Singularity)が来る」と語った。そして、その変化を実現する上で必要となるであろう技術を、「Signaling」や「Neural Interface」といったいくつかのキーワードと関連付けて披露した。ここではデモンストレーションの中で特徴的だったものを紹介する。
「Wireless Power」というキーワードのくだりでは、60Wの白熱電球を無線での送電で点灯させた。右の写真でも分かるように、現状ではかなり大きな装置が必要だが、60Wの電力であれば、一般的なノートPCの消費電力を満たせる。近い将来には、PCにおいて完全なワイヤレス環境を構築することも可能になりそうだ。
「Programming Matter」としては、数多くのマイクロロボット(「catom」と呼ぶ)の集合体を用いることで、必要に応じて形や機能を変えられる機械のイメージを示した。例えばある時は携帯電話、ある時はブレスレット、ある時はノートPCというように、機能や大きさを利用シーンに応じて変化できる可能性があるという。
ほかには「Robotics」として、自動的に机上のコップを認識して片付けるロボットや、対象物を触る前に大きさや形をセンサー技術によって認識して、適切な強さで物をつかむロボットを紹介した。