米IntelのCTO、Justin Rattner氏。人間に近づく機械をテーマに、米Intelや大学、企業などで研究されている技術を紹介した。
米IntelのCTO、Justin Rattner氏。人間に近づく機械をテーマに、米Intelや大学、企業などで研究されている技術を紹介した。
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10年後には1人当たり1000個以上の無線機器を利用するとした。そのためには無線帯域をより柔軟かつ効率的に使うことや、機器同士で協調していくことが重要になるという。
10年後には1人当たり1000個以上の無線機器を利用するとした。そのためには無線帯域をより柔軟かつ効率的に使うことや、機器同士で協調していくことが重要になるという。
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奥の大きな円形の装置から、手前の円形の装置へ送電して、接続されている白色電球を点灯させられる機械。PCに搭載されれば、バッテリー切れの心配がなくなる。
奥の大きな円形の装置から、手前の円形の装置へ送電して、接続されている白色電球を点灯させられる機械。PCに搭載されれば、バッテリー切れの心配がなくなる。
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リンゴの大きさや形を触らずに認識した後で、適当な強さでつかむことができるロボット。「魚がものを認識するような方法」を参考に開発されている。
リンゴの大きさや形を触らずに認識した後で、適当な強さでつかむことができるロボット。「魚がものを認識するような方法」を参考に開発されている。
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 2008年8月19日(米国時間)から開催されているIntel Developer Forum最終日の基調講演は、米IntelのCTO(Chief Technical Officer)のJustin Rattner氏が、「40年後には機械が人間の知能を上回る特異点(Singularity)が来る」と語った。そして、その変化を実現する上で必要となるであろう技術を、「Signaling」や「Neural Interface」といったいくつかのキーワードと関連付けて披露した。ここではデモンストレーションの中で特徴的だったものを紹介する。

 「Wireless Power」というキーワードのくだりでは、60Wの白熱電球を無線での送電で点灯させた。右の写真でも分かるように、現状ではかなり大きな装置が必要だが、60Wの電力であれば、一般的なノートPCの消費電力を満たせる。近い将来には、PCにおいて完全なワイヤレス環境を構築することも可能になりそうだ。

 「Programming Matter」としては、数多くのマイクロロボット(「catom」と呼ぶ)の集合体を用いることで、必要に応じて形や機能を変えられる機械のイメージを示した。例えばある時は携帯電話、ある時はブレスレット、ある時はノートPCというように、機能や大きさを利用シーンに応じて変化できる可能性があるという。

 ほかには「Robotics」として、自動的に机上のコップを認識して片付けるロボットや、対象物を触る前に大きさや形をセンサー技術によって認識して、適切な強さで物をつかむロボットを紹介した。