KDDIの子会社でホスティング・サービスを手がけるKDDIウェブコミュニケーションズ(KWC)は2008年8月22日,仮想化技術を利用したホスティング・サービス「VPSスケーラブルプラン」を9月16日に開始すると発表した。

 VPSスケーラブルプランは,1台のサーバー・マシンに仮想的に複数のサーバーを稼働させる,いわゆるVPS(Virtual Private Server)形式のホスティング・サービス。使用する仮想化ソフトウエアは米Parallelsの「Parallels Virtuozzo Containers」。その上でゲストOSとしてLinuxディストリビューションの「CentOS 5」を稼働させ,ルート権限をユーザーに与える。サーバー自体は共用でも,ユーザーは専用のサーバー・ホスティングと同様の感覚でサーバーを利用できる。

 同サービスの特徴は,ディスクやメモリ容量に応じた複数のサービス・プランを用意し,ユーザーの希望により自由にプランを変更できること。「必要に応じて簡単にスケールアップできるので,初期投資コストは低く抑えることができる」(KWC)。ただし,サービス・プランの変更時にサービスは一時中断する。「ダウンタイムはできるだけ短くすることを目標に現在開発中」(KWC)という。

 サービス・プランは,ディスク/メモリ容量が10GB/100MBの「VS-01」,20GB/180MBの「VS-02」,40GB/340MBの「VS-03」,60GB/420MBの「VS-04」,120GB/1GBの「VS-10」の5つ。ただしVS-10は,仮想化技術を使うものの,サーバーを占有するタイプとなる。利用料は,それぞれ年額2万2680円,同4万5360円,同9万5760円,同21万4200円,同42万8400円。月額料金に換算すると,ディスク容量10GBのVS-01は1890円となる。「1GB当たり189円というディスク単価は業界最安値」(KWC)という。

 KWCは1987年2月設立のホスティング・サービス提供事業者で,旧社名はServision。2007年10月にKDDIからの出資を受けて連結子会社となり,2008年2月に社名をKDDIウェブコミュニケーションズに変更している。こうした経緯もあり,KDDI子会社ではあるものの,データセンターはNTTコミュニケーションズのビル内に設置しており,回線も同社のものを使用している。