写真●暗号化された紙の書類
写真●暗号化された紙の書類
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 富士通は東京ビッグサイトで開催中の「Security Solution 2008」で、紙に印刷する情報を暗号化するソフトウエアを参考出展した。このソフトは書類や画像などを印刷する際に利用する。指定した範囲を暗号化して読めなくできる(写真)。書類を受け取った側は、書類をスキャナで読み込んで専用ソフトで暗号を解除する。個人情報などが含まれた書類をファックスや郵送で送る場合に、情報漏えいが起こるのを防ぐ用途に向く。

 デジタルの画像データに可逆のマスクをかける技術は既に多くある。富士通が展示した技術は、アナログの印刷物に適用できる点が新しい。また、「一つの印刷物上で、指定範囲ごとに異なる暗号鍵を使える」(富士通)ことも特徴だ。これを利用することで、書類を受け取る相手に応じて読める範囲を変えられる。

 販売開始は2008年度内を予定。価格は未定。「詳細な商品構成が決まっていない。今回の展示会などを通じて、どういったニーズがあるかを知りたい」(富士通)としている。