オンデマンドCRM(顧客管理)サービスの米Salesforce.comは米国時間2008年8月20日,2009会計年度第2四半期(2008年5~7月期)の決算を発表した(発表資料へ)。

 売上高は過去最高の2億6310万ドルで,前年同期比49%増,前期比6%増。GAAP(一般に認められた会計原則)に基づく純利益は1000万ドル(希薄化後の1株当たり利益は0.08ドル)で,前年同期の370万ドル(同0.03ドル)から大きく改善した。この純利益には,株式報酬費用の約1900万ドルや,買収に関連した無形資産の減価償却費の約130万ドルが含まれる。

 売上高の内訳は,会費およびサポート収入が2億3970万ドルで前年同期から50%,前期から6%の増収。プロフェッショナル・サービスなどの収入が2340万ドルで前年同期比41%増,前期比5%増だった。

 当期に顧客数が過去最高の約4100社増え,合計で約4万7700社に達した。前年同期と比べ約1万2400社増加している。

 今後の見通しは,第3四半期(2008年8~10月期)の売上高が2億7300万~2億7400万ドル,GAAPベースの希薄化後の1株当たり利益が0.06~0.07ドルと予測する。2009会計年度通期の見通しについては上方修正しており,売上高が約10億7000万~10億7500万ドル,GAAPベースの希薄化後の1株当たり利益が0.29~0.30ドルと見ている。

 なお,Salesforce.comは同日,米InStranetを約3150万ドルで買収したと発表した(発表資料へ)。InStranetは,コールセンター向けにナレッジ・ベース管理ソフトを開発する企業で,米Comcast,米Expedia,仏France Telecom傘下のOrangeなどを顧客に持つ。米メディア(CNET News.com)によると,Salesforce.comは自社のSaaSプラットフォームにInStranet製品を組み込み,2009年中に新たなオンデマンド・サービスを開始する予定だという。