米証券取引委員会(SEC)は米国時間2008年8月19日,企業の財務情報公開に使っている電子システムを刷新すると発表した。新システムの名称は「IDEA(Interactive Data Electronic Applications)」。XMLベースのXBRL(拡張可能な事業報告言語)を採用し,目的の情報を素早く簡単に利用できるようにする。

 米国では,企業は年次や四半期ごとの財務報告書などをSECに提出する必要がある。現在,これらの財務情報は「EDGAR(Electronic Data Gathering, Analysis, and Retrieval)」と呼ぶ電子システムで公開されている。しかし,提出された報告書をそのままの形式で公開しているため,複数の報告書や異なる企業にまたがって情報を参照したり,特定のデータだけを取り出したりするのが面倒である。

 そこで,新システムではXBRLを採用した。財務報告書に含まれるさまざまな情報をタグによって個別にラベリングするため,表計算ソフトやデータベースへの取り込み,インターネット検索での利用など,情報の加工や応用がしやすくなる。この結果,投資家に財務情報を提供する新たなWebサービスなども登場してくるだろう。

 SECの21st Century Disclosure Initiativeを率いるWilliam D. Lutz氏は,「電子データによる情報公開システムへの移行は,市場の動きに合致している。投資家も,動的なシステムを利用して必要な情報を得られるようになり,大量の書類に目を通したり,形式ばった表現やあいまいな言い回しに悩まされたりする必要がなくなる」と述べている。

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