ISO(国際標準化機構)および国際電気標準会議(IEC)は,米Microsoftが推進するファイル・フォーマット仕様「Office Open XML(OOXML)」の国際標準化に対する異議申し立てを退けた。これによりISOは,DIS(国際規格案)29500であるOOXMLをISO標準として正式に交付する手続きを進める。

 OOXMLは,2008年4月に,86%の賛成票を獲得して国際標準の承認を得た(関連記事:Microsoftのファイル・フォーマット仕様OOXML,ISO投票で承認)が,ブラジル,インド,南アフリカ,ベネズエラの4カ国が異議を唱えていた。異議申し立てによる審議を行うには,ISOの技術管理評議会とIECの標準管理評議会において3分の2以上が申請の受理を認める必要があったが,今回,いずれの申請も否決された。

 さらなる異議申し立てが無い場合,最終的な書類手続きが完了次第,数週間以内にISO標準として交付される見込み。

 OOXMLは2006年12月に国際的な標準化組織Ecma InternationalからEcma標準(Ecma standard)「Ecma-376」として承認を受け(関連記事:標準化組織Ecma,オフィス・アプリ向けファイル形式「Office Open XML」を承認),2007年4月にISOの国際標準化に向けたプロセスが始まったが(関連記事:Microsoftのファイル形式「Office Open XML」,国際標準化の投票段階へ),2007年9月の第1回投票では採用が見送られた(関連記事:MicrosoftのOpen XML仕様,ISOの投票で承認得られず採用見送り)。その後Microsoftは標準化案に寄せられたコメントに対する対案を作成し,2008年2月末にスイスで行われた会議「Ballot Resolution Meeting」に提出。この結果を基に第2回の投票期間として, 参加各国には3月29日までに前回の投票内容を変更する猶予が与えられた。この間にもODF推進団体やODFを支持する企業などがOpen XMLに対する批判を展開していた(関連記事:Microsoft OfficeのOpen XMLはISO標準になるか,再投票期限が3月29日に迫る)が,4月1日にISOとIECの全投票者から86%の賛成票,議決権を有する参加国からは75%の賛成票を獲得し,承認を得ていた。

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