厚生労働省の検討している省令改正により、薬局、薬店などの行う医薬品のインターネット販売が過度な規制を受ける恐れがあるとして、楽天は8月7日にヤフーや医薬品のネット販売関連業者100社と連名で厚労省への意見書を提出した。楽天のショッピングモール型ECサイトには複数の薬局、薬店が出店している。

 楽天などは、厚労省が7月4日に発表した「薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会報告書」に懸念を表明した。同報告書は2009年施行の改正薬事法に関し、省令制定のあり方を検討した結果をまとめている。

 厚労省の報告書は、解熱鎮痛剤などを含む第二類医薬品のネット販売について「対面の原則が担保できない限り、販売を認めることは適当ではない」としている。楽天などによると、同報告書は「対面の原則が担保できる場合」の条件を示していないため、現実的には第二類医薬品のネット販売ができなくなる可能性があるという。

 楽天などの意見書では、ネット販売も情報提供の工夫によって店頭販売と同等に「対面の原則」の趣旨を達成できる、としている。また医薬品のネット販売は消費者にとって生活インフラとして浸透していることや、米国、英国、ドイツで一般医薬品のネット販売が可能なことを挙げている。厚労省に対しては、ネット販売を「対面の原則」の趣旨を達成できる手段として認め、十分な議論を経たうえで省令に位置づけるよう要望している。

 厚労省の報告書については、ネット販売を行う薬局、薬店の自主規制団体「日本オンラインドラッグ協会」も8月6日に危機感を表明した。同団体は併せて、ネット販売で「対面の原則」を担保するための自主ガイドラインを発表している 。

■関連情報
・楽天のWebサイト http://www.rakuten.co.jp/