NECとパナソニック モバイルコミュニケーションズは2008年8月7日,両社が2006年11月に設立した携帯電話向けのソフトウエア・プラットフォーム開発会社「エスティーモ」(関連記事)を,2008年10月にも清算する方向で動いていることを明らかにした。

 エスティーモはNECとパナソニック モバイルコミュニケーションズの2社が携帯電話のソフトウエア・プラットフォームの開発効率をより高めるために,50%ずつ出資して設立。Linuxをベースにした携帯電話プラットフォームを開発し,両社の端末で採用してきた。

 しかしここに来て携帯電話プラットフォームのオープン化とグローバル化が進み,Linuxをベースにしたプラットフォームを開発する「LiMo Foundation」の活動が本格化している(関連記事)。両社はNTTドコモや米モトローラなどと共にLiMoの中核メンバーであり,「LiMoの活動を通してよりグローバルな動きの中でスケールメリットを出したほうが得策であり,エスティーモは役割を終えたと判断した」(NEC)。今後両社はそれぞれLiMoでの活動を通して,ソフトウエア部分の開発効率化を図る。エスティーモには両社から出向した社員が150人ほどいたが,現在は数十人程度に減っているという。

 なおNECとパナソニック モバイルコミュニケーションズなどは,携帯電話のベースバンド技術などを開発する会社「アドコアテック」も2006年8月に設立している。アドコアテックの活動は今後も継続する。