写真1●事業戦略を説明する日本通信の三田聖二社長
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写真2●スマートフォン,IP電話を利用した携帯電話などが続々登場する見込み
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 日本通信は2008年8月6日,レイヤー3の相互接続でNTTドコモと相互接続協定書を締結した。同社は今回の相互接続を利用して「b-mobile3G hours150」と呼ぶ製品を8月7日から販売する。これに先立ち,説明会を開催した。

 三田聖二社長(写真1)は,今回の相互接続には二つの意義があるとする。一つは,10Mビット/秒当たりで月額1500万円という「原価+適正利潤」の接続料でNTTドコモの網と相互接続できたこと。ほかのMVNO(仮想移動体通信事業者)も日本通信と同じ条件で接続できるようになった。もう一つは,端末を独自に調達し,接続できるようになったこと。「これまでは携帯事業者の端末しか販売されていなかったが,当社が選んだ端末を当社の判断で接続できるようになった」(三田社長)。

 今後は端末メーカーや販売店と協力して様々な端末の販売を促していくという。三田社長は端末例として,スマートフォン,無線IP電話,HSDPAの通信機能を搭載したノート・パソコン,MID(mobile internet device),Android端末などを挙げた(写真2)。「(携帯電話を)オープンに利用できる環境を作るのが日本通信の役割。MVNE(mobile virtual network enabler)としてMVNOの参入も支援していきたい」(三田社長)。特にAndroid端末に関しては,「日本の通信環境は米国の10倍進んでおり,Android端末の価値を本当に生かせるのは日本。Android端末を日本市場に投入したいと考えているメーカーはたくさんあるので,これらのメーカーとビジネスを展開していきたい」(三田社長)とした。

hours150は「今期で数十万台販売したい」

 後半は「b-mobile3G hours150」の商品説明とデモを実施した。hours150はUSBタイプのデータ通信端末と,150時間分の通信利用権をパッケージ化した製品。利用開始日から480日(約16カ月)以内であれば,好きなときに好きなだけ利用できる。「従量制は使い過ぎたときの請求が心配。定額制は時間を気にしないで利用できるが,家庭や会社では当たり前のようにブロードバンドが利用できるようになっており,毎日何時間も利用するとは限らない。これに対してhours 150は150時間で3万9900円。無駄なく使えて請求書も来ない」(福田尚久常務取締役)とアピールした。

 デモでは「bアクセス」と呼ぶ接続ソフトを利用し,IDやパスワードを入力せずにワン・クリックで接続できることを実演して見せた。hours150で利用するZTE製のデータ通信端末は「下り最大3.6Mビット/秒に対応するが,実効速度は数百kビット/秒になる」(福田常務)。150時間利用した後は今秋に発売予定の更新ライセンスで利用時間を延長できる。「PHS版のb-mobile hoursの更新ライセンスは120時間分で約2万円。これを踏まえると,hours150の更新ライセンスは3万円前後になる」(同)。

 販売目標については「既に10万台発注(関連記事)したので,年内にすべて販売したい」(三田社長)とした。さらにイー・モバイルがデータ通信サービスだけで初年度に40万契約を獲得したことを引き合いに出し,「市場はまだ数百万台あると見ており,今期で数十万台販売できればと考えている」(同)との抱負を述べた。

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