米AT&Tは米国時間2008年8月5日,ユーティリティ・コンピューティング・サービス「AT&T Synaptic Hosting」を発表した。AT&Tのネットワークをベースに,アプリケーション管理,コンピューティング・リソース,データ・ストレージなどの各種機能を企業に提供する。

 米国ニュージャージー州ピスカタウエイ,カリフォルニア州サンディエゴ,メリーランド州アナポリスと,オランダのアムステルダム,シンガポールに所有する5つのインターネット・データ・センター(IDC)をコンピュータ・クラウドのゲートウエイとして利用し,ASP大手の米USinternetworkingから買収した技術を組み合わせる。仮想サーバーを介して,大規模な演算能力とアプリケーションを利用できるようにする。

 同社は世界で合計38のIDCを所有しており,今後,AT&T Synaptic Hostingに利用するIDCをさらに追加して,米国内外への企業クラスのインフラ提供を進めるとしている。

 AT&Tによると,米国オリンピック委員会の公式サイトでは,AT&T Synaptic Hostingを導入しているという。

 クラウド・コンピューティングについては,以前から大手技術系企業が取り組んでおり,米Amazon.comの「Amazon EC2」,米Googleの「Google App Engine」などがすでに公開されている。Googleはまた,大学向けクラウド・コンピューティング推進で米IBMと提携している(関連記事:GoogleとIBM,大学向けクラウド・コンピューティング推進で協力 )。今年7月には,米Microsoftが「Live Mesh」の技術プレビュー版を米国で公開し(関連記事:Microsoft,クラウド・サービス「Live Mesh」の技術プレビュー版を米国ユーザーに公開),米Hewlett-Packard(HP),米Intel,米Yahoo!が共同研究の取り組みを発表した(関連記事:HP,Intel,Yahoo!がクラウド・コンピューティングの共同テスト環境を立ち上げ)。

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