写真1●iDataPlexに搭載する2Uの専用シャーシ(ノード)
写真1●iDataPlexに搭載する2Uの専用シャーシ(ノード)
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写真2●ノード内は複数のサーバー・モジュールやストレージ・モジュールが、電源やファンを共有する構造になっている
写真2●ノード内は複数のサーバー・モジュールやストレージ・モジュールが、電源やファンを共有する構造になっている
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 日本IBMは、1ラックに最大84台のサーバー・モジュールを搭載可能なラック一体のハードウエア「IBM iDataPlex」の国内出荷を開始する。サーバー・モジュールが8コアのプロセサに対応することから、最大672コアを1台のラックに搭載できる計算だ。受注を2008年8月21日から始める。

 iDataPlexは集積度を高めつつ消費電力を抑えるために、独自の構造を採用したラック一体型サーバー。「ノード」と呼ぶ2Uまたは3Uのサイズの専用シャーシに、専用のサーバー・モジュールやストレージ・モジュールを組み込む(写真1)。それを、通常のラックの2倍の横幅で奥行きが短い専用ラックに搭載して使う。

 ノードに組み込んだモジュールは、電源やファンを共有する構造になっている(写真2)。複数のサーバーやストレージがこれらの部品を共有することで、エネルギー効率を高める仕組みだ。

 専用ラックには2列にノードを収容する。1列あたりのスペースは42Uである。奥行きが27.6インチと、46インチ程度ある通常ラックより短いため、排熱効率が高いという。スイッチや電源タップは、2列に並ぶノードと専用ラックの間に縦置きで配置している。

 日本IBMはユーザーごとに搭載するノードやモジュールをカスタマイズし、ラックに組み込んで出荷する。オプションで、ラック背後の扉と一体の空調機「Rear Door Heat eXchanger」を組み込むことも可能だ。「大きなコンピューティング・パワーを必要とするxSP事業者やデータセンター事業者がターゲット。iDataPlexを1台しか必要としない程度の規模の企業であれば、ブレードサーバーを採用することを推奨する」と、諸富健二理事は説明する。

 価格は、2Uのノードを42個を搭載した構成で3990万円。その場合のラック面積あたりの重量は1.2トンである。