NTTデータビジネスコンサルティングは2008年8月5日、IT戦略の立案やIT部門の人材育成を支援するコンサルティング・サービス「IT戦略モデルプランニング」を発表した。IT部門が抱える「信頼されない、相談されない、貢献してない」の3つの“ない”からの脱却を手助けする。IT戦略にかかわる利害関係者のモチベーション(動機付け)を分析・可視化する「BMM(ビジネス・モチベーション・モデル)」と呼ぶ手法を用いる点が特徴だ。

 「IT部門が抱える“3ない”の原因は、自社・自部門中心の戦略・計画立案にある」と、NTTデータビジネスコンサルティングの鎌田肇 戦略サポート本部長プリンシパルは指摘する。ITがビジネスに与える影響度合いが大きくなるほど、IT部門単独でIT戦略を立案・実行しにくくなる。「ユーザー部門や取引先といったIT部門の利害関係者を巻き込めるかどうかが、IT戦略の成否を分ける」(同)。

 そこで「IT戦略モデルプランニング」では、BMMを用いてIT戦略にかかわる利害関係者のメリット/デメリットやモチベーションの変化度合いを整理しながら、戦略の内容や推進体制を決める。さらに、利害関係者がIT戦略に及ぼす影響をブロック図やクラス図を用いて可視化することで、戦略を遂行する際の阻害要因や、優先的に解決すべき課題が直感的に分かるようにする。「BMMを用いることで、フィージビリティ(実行可能性)の高いIT戦略を立案できる。戦略を円滑に遂行するための人材も育成しやすくなる」と、鎌田本部長は強調する。

 コンサルティング費用は、対象企業の事業内容や規模によって異なる。3カ月間のIT人材育成計画策定支援で2400万円である。NTTデータビジネスコンサルティングは、製造や流通分野の上場企業を中心に同コンサルティング・サービスを提供する。初年度に10社(売上高換算で3億円)の獲得を見込む。