米Intelは米国時間2008年8月12日,カリフォルニア州ロサンゼルスにて開催されるコンピュータ・グラフィックス関連の展示会SIGGRAPH 2008(8月11~15日)で,多コア化が可能な新プロセサ・アーキテクチャ「Larrabee」(開発コード名)の詳細を発表する。

 ソフトウエア・レンダリング3次元パイプラインの新手法,多コア・プログラミング・モデル,各種用途における処理性能分析などを解説した論文(英文)をベースに,Larrabeeの機能や性能を紹介する。

 Larrabeeは,同社が提唱する高度なグラフィックス処理「Visual Computing」の実現を可能とする新たなプロセサ用アーキテクチャ。x86アーキテクチャの演算コアを数十から数千個というレベルで搭載可能とする共有キャッシュ・メモリーを採用。複数データを一括処理できるSingle Instruction Multiple Data(SIMD)対応のベクトル処理ユニット(VPU)などを組み合わせ,高速処理を実現する(関連記事:Intel,6~8コア・プロセサや多コア対応の新アーキテクチャを明らかに)。

 「Pentium」プロセサで採用したパイプラインを拡張してマルチスレッドや64ビット命令に対応させ,先読み(プリフェッチ)機能を高度化させる。グラフィック処理用に特化した回路も搭載する。各コアの実行可能スレッド数は4つで,スレッドごとに独立したレジスタを割り当てられる。1024ビットの双方向リング・ネットワークを備え,コア間のやり取りを高速化する。

 まずLarrabeeアーキテクチャでパソコン向けグラフィックス処理プロセサを開発し,2009~2010年にリリースする予定。その際,グラフィックスAPI「DirectX」「OpenGL」や各種ゲームなどに対応させる。多コアという特性も生かし,高度な並行処理を必要とする科学/技術処理ソフトウエア向けにも展開していく。

[発表資料へ]