米クアルコムは米国時間2008年7月31日,高速携帯通信規格「HSPA+」(high-speed packet access plus)を使ったデータ通信に初めて成功したと発表した。社内で行った実験では,5MHzの帯域幅を使い20Mビット/秒以上の通信速度を確認できたという。同社によれば,HPSA+を使うことで,従来のHSPAに比べてデータ通信容量は2倍,音声通話容量は3倍にできる。

 HSPA+は3GPP(Third Generation Partnership Project)が「Release7」として標準化した規格で,最大伝送速度は下りが28Mビット/秒,上りが最大11Mビット/秒。さらに,下りを42~84Mビット/秒まで高速化する計画もある。また,HSPA+に未対応の基地局とはW-CDMAやHSPAで通信できる。

 なお,HSPAとは,下り速度が最大14.4Mの通信規格「HSDPA」(Release5)と上り速度が最大5.76Mビット/秒の通信規格「HSUPA」(Release6)を合わせた名称。HSPA+はHSPAをさらに高速化した技術。HSDPAを利用したサービスは既に国内でもNTTドコモなどが提供中。

 今回の同社の実験は,同社のHSPA+向けチップセット「MDM8200」を使った。このチップセットは現在サンプル出荷中で,2008年末から2009年初めにかけて商用製品を出荷する予定だという。

[発表資料へ]