マイクロソフトは2008年8月1日,データベース・サーバーの新バージョン「SQL Server 2008」のボリューム・ライセンス提供を開始した。パッケージ版は9月19日に出荷を開始する。新バージョンでは,Webアプリケーションでの用途に限定した低価格版プロセッサ・ライセンス「SQL Server Web」を追加し,小規模システム向けの販促を強化する。

 SQL Server 2008は,SQL Server 2005の基本機能には大幅な変更を加えず,データベース監査機能やビジネス・インテリジェンス機能,地理データや空間データを使用したデータベース・アプリケーションを開発する機能といった,付加機能の追加に主眼をおいた新バージョンである。同社が2008年4月に出荷を開始したサーバーOS「Windows Server 2008」と,同サーバーOSの標準仮想化機能で7月9日に出荷を開始した「Hyper-V」にも対応している。

 新エディションである「SQL Server 2008 Web」は,最大4プロセッサに対応したエディションで,プロセッサ・ライセンスでのみ販売する。SQL Server 2008として最も安いエディションだが,用途はインターネット経由で公開されるWebアプリケーションに限定される。社内向けの業務アプリケーションでは使用できない。マイクロソフトでは,新エディションの投入や,PHPからSQL Serverを利用するための新ドライバの追加などによって,「LAMP(Linux+Apache+MySQL+PHP)が強い小規模Webアプリケーションへの対応を強化する」と説明している。

 SQL Server 2008にはほかに,Itaniumに対応する最上位版の「SQL Server 2008 Enterprise」のほか,最大4プロセッサに対応する中規模システム向けの「同Standard」,最大2プロセッサ,最大4Gバイト・メモリーに対応する小規模システム向け「同Workgroup」,開発・テスト用途に限定した「同Developer」がある。

 大規模ユーザー向けのボリューム・ライセンスである「Select A」の価格は,「SQL Server 2008 Enterprise」のプロセッサ・ライセンスが290万8800円,「同Standard」のプロセッサ・ライセンスが69万8000円,「同Workgroup」のプロセッサ・ライセンスが45万300円,「同Web」のプロセッサ・ライセンスが42万6000円である。プロセッサ・ライセンスが適用されたサーバーには無制限のユーザーがアクセスでき,システムのユーザー数に応じたCAL(クライアント・アクセス・ライセンス)の購入は必要ない。

 CALの購入が必要なサーバー・ライセンスの価格(Select Aの場合)は,「同Enterprise」が103万2500円,「同Standard」が10万7700円,Workgroup(5CAL付属)が8万8800円である。CALの価格は1万9800円(WorkgroupのCALは1万7800円)。開発・テスト用途に限定した「同Developer」の価格(Select Aの場合)は4400円。