よくない兆候が現れた。米Microsoftは以前,2008会計年度が終わる2008年6月30日までにモバイル機器向けOS「Windows Mobile」のライセンスを2000万本「以上」販売すると大胆に宣言したものの,後になって予測値を2000万本「弱」に下げた。下方修正したにもかかわらず,同社は7月最終週,販売目標に達しなかったことを認めた。同会計年度の販売数は1800万本にとどまったという。

 Todd Bishop氏は自身のブログ「Seattle Post-Intelligencer」で,あるMicrosoft幹部の「販売目標には届かなかったが,Windows Mobileの市場シェア拡大は続いており,米AppleやカナダResearch in Motion(RIM)などのスマートフォン用OSと競っている」との発言を紹介した。「(目標値に対して200万本という)不足数は大きいように感じるが,販売ペースに換算すると1カ月分にも満たない」(Microsoft上級副社長のAndy Lees氏がBishop氏に話した内容)

 Microsoftがこの2000万本という販売実績をあまり宣伝しないのは,Appleの画期的な「iPhone」で起きた大騒ぎを鎮めることが目的の見え透いた対応なのだろうか。もっとも,その答え自体にニュースとしての価値はない。Bishop氏が指摘した通り,Microsoft社長のRobbie Bach氏はこの1年間,繰り返し公の場で2000万本という予測値を明言してきた。新たな予測値2000万本「弱」は,Lees氏がハードウエア・パートナ向け資料のなかでうっかり漏らしたもので,2008年6月になって初めて登場した。

 目標未達の原因として,Lees氏はある新型Windows Mobileスマートフォンの出荷が予定より遅れたことを挙げた。ただし,同氏は具体的な製品名を明かさなかった。