写真●NECの小野隆男取締役執行役員常務
写真●NECの小野隆男取締役執行役員常務
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 NECは2008年7月31日、2008年度第1四半期の連結決算を発表した。売上高は1兆12億円(前年同期比0.7%減)、営業利益は41億円(同63.7%減)、経常利益は71億円(同14.4%減)だった。半導体などエレクトロン・デバイスの収益性が改善したものの、IT/ネットワーク(NW)ソリューション事業とモバイル/パーソナル・ソリューション事業が足を引っ張った。

 セグメント別で見ると、主力のIT/NWソリューション事業の売上高は5651億円(同1.3%減)と微減だったが、営業利益は77億円(同78億円減)と大きく落ち込んだ。モバイル/パーソナル・ソリューション事業の売上高は2263億円(同7.1%増)、営業利益は58億円(同38億円減)。エレクトロン・デバイス事業の売上高は1974億円(同4.1%減)で、営業損益は2億円の赤字(同42億円改善)である。

 営業利益が大幅に減少したIT/NWソリューション事業の内訳を見ると、通信機器などのネットワーク・システム分野の業績が大きく落ち込んだ。同分野の売上高は2210億円(同10.7%減)、営業利益は10億円(同150億円減)だった。システム構築などのITサービス/SI分野も不振で、売上高は1643億円と同2.8%増えたものの、営業損益は20億円の赤字(同60億円減)である。好調だったのはサーバーなどのITプロダクト分野で、売上高は1250億円(同12.2%増)、営業利益は100億円(同140億円増)だった。

 IT/NWソリューション事業の不振について、小野隆男取締役執行役員常務は「開発費の投入や為替変動、(期末に集中する)プロジェクト要因によるもの。国内市場のIT投資は堅調で、上期(2008年4~9月)の業績予想は変わらない」と強調した。IT/NWソリューション事業の上期業績は、売上高1兆2800億円(同0.5%増)、営業利益は410億円(同58億円増)を見込む。

 営業利益が大幅に落ち込んだネットワーク・システム分野について、小野常務は「国内モバイル・キャリアの設備投資は抑制ぎみだが、今春から商用サービスが始まったNGN(次世代ネットワーク関連)は堅調」と説明。同分野における上期の営業利益は260億円を見込む。第1四半期は赤字だったITサービス/SI分野についても悲観せず、上期の営業利益は160億円に達すると予想する。

 NECは、上期の連結業績予想は修正せず、売上高は2兆1500億円(同0.4%増)、営業利益は300億円(同26億円増)を見込んでいる。