図1:接触状況を測定する基準の主な内容
図1:接触状況を測定する基準の主な内容
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図2:リクエストベースとOTSベースの測定方法の違い
図2:リクエストベースとOTSベースの測定方法の違い
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 インターネット動画配信事業を手がけるヤフーとNECビッグローブ,マイクロソフト,USENと,インターネットの利用状況を調査しているビデオリサーチインタラクティブの5社は2008年7月31日,インターネット上の動画コンテンツの接触状況を測定する基準の統一で合意したと発表した。5社が合意した測定基準は,動画コンテンツをユーザーがパソコン上で再生した総接触回数(ストリーム数)などを測定する際に適用される。OTSベース(Opportunity To See)での測定であるため,より最終的なユーザーの視聴を測定できる。実際に動画コンテンツが再生されたことを示すビーコンを測定用サーバーで計測する方式(ビーコンタグ方式)によって,ユーザーの動画コンテンツへの総接触回数や接触人数(ユニークブラウザー数),接触時間といったデータを高い精度で取得できるという(図1)。

 ヤフーなど5社は,「インターネットで動画コンテンツを視聴するユーザーが増えるなかで,動画配信はコンテンツの調達や権利処理,配信テクノロジー,再生画質のチェックなど,ビジネスとしての成熟度を増してきている。今回の合意は,動画市場や動画広告市場がより一層活性化される基盤になると考えている」としている(発表資料)。

 インターネット上の動画コンテンツ接触状況の測定には,従来からの「リクエストベース」と,今回5社が合意したOTSベースでの測定がある。リクエストベースでの測定は,動画コンテンツサーバーへのリクエスト回数を動画コンテンツの読み出し回数として扱うのに対し,OTSベースでは実際に動画コンテンツが再生されたことを示すビーコンの表示回数を動画接触回数として計測する(図2)。リクエストベースでは,ユーザーからリクエストがありながら動画が再生されなかった場合もカウントされるのに対し,OTSベースの測定は動画が再生されなかったケースを除外することで精度の高いデータを収集できるという。