WOWOWは2008年7月30日,2008年度第1四半期(2008年4~6月)の決算を発表した。売上高は前年同期に比べて1.6%増加の164億5600万円だったが,経常損益は前年同期の21億3000万円から,一転して2億4100万円の赤字となった。赤字転落について同社の和崎信哉社長は決算発表会見の場で,「コンテンツ強化に伴うコストアップで第1四半期は赤字になったが,これは計画通りの結果である。第2四半期には黒字転化する見通しだ」と述べた(発表資料)。

 第1四半期の加入実績をみると,BSデジタル放送とBSアナログ放送を合わせた新規加入者数は18万148件,解約者数は15万1972件だった。この結果,第一四半期末の累積加入者数は,期間中に2万8176件増えて246万5940件となった。累積加入者数が,前年同期の5万件を超える減少から2万件を超える増加になったことが,増収の最大の要因である。

 第1四半期には,欧州サッカーの国別対抗戦「UEFA EURO 2008」の全31試合をHDTV(ハイビジョン)で6月に完全生中継したほか,オリジナルドラマ「ドラマW」初の連続ドラマ(全8話)を4月から5月に放送するなど,オリリナルコンテンツの強化と番組内容を訴求する営業活動を加速させた。その結果,番組費と宣伝費の合計が,前年同期より24億円以上増えた。コンテンツ強化のために積極的に資金を投下したことが,赤字転落の最大の要因である。