フランスのAlcatel-Lucentは現地時間2008年7月29日,同社幹部の辞任を発表した。非常勤会長のSerge Tchuruk氏が10月1日に,CEOのPat Russo氏が年内に,それぞれの職務から退く。同社は直ちに,両役職の適任者人選に取り組む。
通信大手2社による合併後の過渡期が過ぎたことから,新たな針路を定めるために,人事の刷新を決めたとしている。Tchuruk氏はAlcatelで,またRusso氏はLucent Technologiesで,会長兼CEOを務めていた。
同社はまた,取締役会を縮小するとともに,役員の見直しを行う。その取り組みを率先する意味で,LucentでRusso氏の前にCEO職に就いていたHenry Schacht氏が,取締役辞任の意向を明らかにした。
Russo氏は,「新たなリーダーを迎えて取締役会を刷新することが,経営視点に新風を吹き込み,当社の成長を新たな次元に引き上げるうえで,プラスになると確信している」とコメントしている。
同日発表したlcatel-Lucentの2008年第2四半期決算は,売上高が41億100万ユーロで,前年同期に比べ5.2%減少した。純損失は2億2200万ユーロ(希薄化後の1株当たり損失は0.10ユーロ)で,前期の9500万ユーロ(同0.04ユーロ)から赤字幅が拡大した。営業利益は9300万ユーロだった。
同社は業績低迷の理由を,北米における大手顧客が資本投資を大幅に削減するなど,CDMA関連事業が不振だったためと説明している。